「阿部くん。悪いし。玄関までいくよ。」


「おー。さんきゅ。」



「ごめんね。なんかわざわざ。」



「いや、俺が好きでやったことだし。じゃあな。」


「うん、ありがと。」





阿部くんの足音が遠ざかる


遠ざかる


遠ざかる。




「ふっ・・・。うっ・・ふっ。」


ぴんぽーん。



誰だろう。

どうしよう。泣いていたのに。

赤いウサギのような目で、会っちゃうじゃないか。



「は、はい。いまでます。」



「よう。ウサギみたいな目してやがって。隆也に泣かされたか?」



「元希君・・・?」



「お邪魔するぜ。」



「ちょ!元希くん!?」



「ダメ?」


「ダメじゃないけど・・・・。」




リビングまでつれてくるとんーっと元希くんは182cmの体をぐっと上に大きく背伸びした。



「隆也に泣かされたか?」


「だから!なんでそうなるの!」


「だって隆也みたんだもん。」

「違うよ。ちょっと行き先が不安になっただけ。阿部くんには相談に乗ってもらっただけだもの。」


「おまえばっかじゃねえの!?」


「なっ!?」



「そんなんまだいいんだよ。ゆっくりゆっくりで。」



「・・・。」



「まだ時間はあるんだから、今のことしっかり考えろ。」


「元希君・・・・。ありがと。」


「おー。」



「ところで、なんできたの?」



「お前が泣いてそうだったからよ。」



「え!?な、なんで!わかったの!?」






それは


いつも俺が


お前ばっかり見てたから。





俺は隆也よりはお前のことみてるから。



お前は違うことばかり見てるから


気づかないだけでさ。