学校にはもう慣れることができた。
水谷君や阿部君、千代、花井君から廉の話を聞くことはできるし。
安心して学校に行くことができた。
04.Vous et moi
「ちゃんおはよう!」
「あ、千代。おはよ。」
そういえば明日から合宿だっけ・・・。
「明日から合宿なんでしょう?頑張ってね千代。」
「うー・・ちゃんも来てくれたら心強いのにー・・・。」
いや、行きたいのはやまやまですけどね。
「えー。私が行っても何もできないよ。」
「でも、試合は見に来るでしょ?」
「うっ・・・・。」
「廉君がよっぽど好きなんだねー。」
「だって・・・・。」
家に帰ってぼすっとベッドにダイブする。
そういえば、準さんが帰ったら連絡よこせって言ってた気が・・・。
「準さん・・・?。」
『あ、、はやかったな。』
「そうかな。で話ってー?」
『明々後日西浦と三星の練習試合なんだろ?』
「あ、知ってるんだ。」
『ばっか。お前が話してたろ。廉と離れちゃうーって。』
「う・・そうだったっけ・・・?」
『うん。でさ、一緒に行かない?』
「い、いいの!?」
『いいよ。じゃあ明々後日な。』
よし、準さんと野球を見に行く約束ができた・・・。
嬉しいな。
試合の日になって私は
リボンのついたワンピースにカーディガンを羽織った
パンブスも履いた。久しぶりにおしゃれな踵が少し高めの。
「ちょっと、気合入りすぎたかな・・・?」
駅について少し思った。
どうしてこんなにお洒落してるんだろう。
・・別に準さんに会うくらいじゃこんなにお洒落しないのに・・。
西浦の人たちに会うから?私、なんのために。。。。
「ーー!」
「じゅ、準さぁあん!」
「わ、わり。遅くなった。」
「大丈夫、ちょっとくらい。」
「今日、」
「へ?」
「可愛いな。」
ぼっと顔が赤くなるのを感じた。
「そ、そうかな。」
「うん。お、電車きた。」
「あ、本当だ。」
ぼーっと電車を眺めた。
「なにしてんの。行くよ。」
ぎゅっと手を引かれて電車に入った。
また顔が赤くなる。
「ご、ごめんなさい。」
「うん。」
電車に揺られて群馬についた。
三星学園につく。まだ皆は来てなかった。
「準さん。できれば皆の目に付かないとこで見たい。」
「ん?なんで。」
「お願い。」
「はいはい。わかった。」
やっぱり低めのパンブスにすればよかった。
足がじんじんする。
「準さ、ん、待って。待ってたら!足はやいよー!」
「わ、わりい。ほら、手。」
手を差し出され手をぎゅっと握る
「あ、ありがと。」
ベンチに腰をかけると皆入ってきた。
「準さんとゆっくりするの・・なんか久しぶり。」
「そうだな。」
こしこしと頭をなでられる。これも久しぶり。
「へへ。」
準さんはぷっと笑うとグラウンドをみつめた。
「三星・・・・ね。」
「どうしたの?準さん。」
「お前から、野球を奪った学校。」
「え・・・?」
「個人的に、凄く許せない。」
「準さん・・・。」
「どんな野球をしてるのか。すごい気になるよ。」
「・・・そっか。」
「なんて顔してんだプッフフフ・・・。」
「じゅ、準さんひっどーい・・・。」
「正直、学校来た時のお前見てびっくりした。」
「え?」
「毎日瞳に生気がなくて。楽しくないって言ってるような目で。」
「・・・・。」
「でも、俺たちにあって少しずつ、変わったよ。は強いよ。」
目頭があったかくなって照れ隠しで準さんに抱きついた。
「わ、」
「ありがとう。準さん。」
「そういや、」
「ん?」
「お前のヴァイオリン聞きたい。」
「今度ね。」
その頃、グラウンド
「あ、なぁ!三橋!三橋!」
「た、田島くん!な、なに?!」
「あれ、お前の妹じゃねえ?ほら、男と一緒にいるの!」
「あ、ほ、ほんとだ!ど、どうして。」
「あ、ちゃん心配だから試合だけ見にくるっていってたよ!」
「どうしたの?」
「あ、阿部くん!」
「三橋の妹来てんの!」
「妹・・?妹いたのかお前。」
「双子だよ!七組にいるはずなんだけど・・・・。」
「・・・・・三橋?」
「そ、そうだよ!」
「嘘・・だろ?」
「嘘じゃ、ないよ!」
「なあお前の妹ってさあ野球やってた?」
「う、うん。シニアで四番だった!」
「(あ、あの女・・・!)」
『・・・気のせいじゃないですか?』
「(怪しいとは思ってたけど・・・あんな嘘つかなくても・・・・)」
「あ、阿部くん?」
「五球!やろうぜ!」