暖かい昼間。
私は屋上で一人サンドイッチという名の昼ごはんを堪能していた。
そこに魔の手が忍び寄ったのだけれど。
「三橋。」
「はひ?」
「お前さ、やっぱシニアいたんじゃん。」
「ムグッ!」
私は口にいっぱいつめこんでた食べ物を喉に詰まらせた。
06.Un ton du bonheur
「な、なんでそれ・・・。」
「三橋から聞いた。」
「・・・・。どっちの三橋よ。」
「兄のほう。あー。めんどくせー。お前のことってよぶな。」
「う、はい。」
「さ、お前なんで嘘ついた?」
「べ、別に関係ない。」
「なんで、っていうか。さ。嘘つく必要ないじゃん。」
「もう、野球はしたくないから。」
「なんでッ!?」
「・・・・女は野球に参加できないから。甲子園いけないから。」
「・・・それでも、かかわる方法はあんだろ!?」
「そうじゃない!私は、野球したい!」
「なら、お前は俺といろよ!野球させてやるから!」
「え・・・?」
「俺らが、お前と練習してを甲子園に連れてく!」
準さんと同じこというんだ・・・・。
「なんで・・・。そんな・・・。」
「俺はお前のセンスに心底惚れてんだよ。」
こんなこといわれたことなかった・・・。嬉しいよ?
嬉しいけど。
でもそんなこといわれてもなあ・・・・。
「わ、私にできることなんてないッ!」
それだけ言い放つと片付け教室に戻った。
なんか悪いことしたかも。
しれない。
阿部君と私は口を聞かなくなってしまったかもしれない。
はぁ、とため息をつき荷物をまとめ家に帰った。
今日は休日。
午前中だがすこしはやくに目をさました。
ベッドとバイオリン、机と見慣れた配置の部屋。
机の上にはプレゼント。
そう、今日は私達双子の誕生日。
廉と私の。
廉と私の写真たてを見る。
はやく廉帰ってこないかな・・・。
・・・・・
そりゃ帰ってこないわ!
練習だもん!
私は公園にバイオリンでももって練習しに行こうかと考えた。
ぷるるるるるっと携帯がなる
「はい、ですがー。」
「おれ、準太。」
「準さん!」
「下おりてきて。」
玄関をみると準さんが待っていてくれた。
「あれ、準さんだ。」
「そう。準さん。」
「おいで。」
私は手を引かれるままある公園につれてかれる。
ヴァイオリンをもったまま。
そこには、
和さん、りおー、ヤマちゃん先輩。本山先輩、迅、慎吾先輩。
桐青の皆がいた。
「「「「「「Happy birthDay!!!!!!!!!」」」」」
皆がクラッカーを鳴らし次々プレゼントを渡してくれた。
「ど、どうして。皆・・・。」
「だって今日誕生日じゃんかァー!」
「りおー、ありがとおおおー!好きー!」
じわぁっと目頭が熱くなって思わずりおーに抱きついた。
「アッハッハ、お前らまだそんな感じだったなあ。」
にこにこと和さんは私の頭を撫でる。
「じゃあお返しに慎吾さんのちゅーで「何言ってるの変態。」
一瞬にして慎吾さんとヤマちゃん先輩のせいで空気がさめました・・・。
「・・・・皆ありがと・・・・。」
私は嬉しい気持ちでいっぱいで
涙があふれてきてしまった。
「何ないてんだよ!」
「だ、だって、嬉しい。もん。」
ブッっと皆に笑われてしまった。
「ひ、ひどい!」
「じゃあ、お礼に弾いて、ヴァイオリン。」
「うん!」
私はとびっきりの笑顔を向けてバイオリンを出す。
どうしよう。かな。何弾こう。
♪〜♪〜♪
「かわいい曲だね。」
「あー!それ知ってる!あれだ!とろとろとろとろとろりーって!」
「ガヴォット・・・だな。」
準さんが曲名を言い当てる
「あたりー!」
私は楽しさを伝えるように心がける。
りおーは音楽に乗ってくれたようだった。
弾き終わって次の曲に行く。
どうか、
この優しい人たちに愛があふれますように。
アヴェ・マリア
「アヴェ・マリア?」
「はー、ヴァイオリンってこんな綺麗な音すんだなー。」
慎吾さんは関心したようにこちらを見る。
「しかし、がヴァイオリン弾けるとはな・・・・。」
本山先輩何気に失礼・・・。
「ふ、はぁ!」
終わった!とヴァイオリンを下ろす。
かたかたとすぐケースにしまってみんなにもう一度
「ありがとう!」
最高の笑みをあなたに。
「「「「「「「おう!」」」」」」」
「さ、て、そろそろお前は家にかえらねえとな!」
慎吾さんはそういって頭をぐしゃぐしゃなでる。
や、これは乱してるだろ。
そういって皆に家まで送ってもらうと
さらにサプライズが待っていた。
「ただいまー!!きゃあ!」
な、何この大量の靴の数!
私は自分の靴をしまって廉の部屋にヴァイオリンをもっていくと
「ちょ、れ、廉!?」
「す、!」
「あ、三橋!」
「おじゃましてます。」
「うーす。」
そこにはもうすし詰めといった野球部がいた
「いやあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
私はドアをバタンっと閉めると自分の部屋に逃げ込んだ。
「お、驚かせたかな・・・・。」
「お、俺女の子の悲鳴聞くの2回目なんだけど・・・。」
「なんていうか・・篠岡の聞くよりショックうけた。」
「せ、切ない・・・・。」
何あれ何いまの!なにあれ何あれ!
まだばくばくと心臓がなっている。
ま、まだ過呼吸だよ・・・
私は窓からベランダに出る。
どうも気持ちが落ち着かない。
やっぱりヴァイオリンを気がつけば持っていて
それを弾いていた。
アダージオと少し荒め。
やはり廉の部屋までとどくだろうか。
嫌だあ。こんなの。
とりあえずベランダから自分の部屋に戻る。
そういえば防音になってる自分の部屋からどうしてベランダに出たのか
多少後悔した。
「なんか今ヴァイオリン聞こえた!」
勉強のしたくをしていた田島が言う。
「そ、それ、だと思う・・!」
「妹?」
「うん、昔からヴァオリンやってた!」
「へぇ、すげえな!」
泉が驚くように話した。
「そういや、ちゃんって何でもできるよねー。」
水谷がにこっとして廉に質問した。
「う、うん、俺とは違って。」
「そんなこというなよ・・・なんか悲しくなるだろ。」
フォローに花井が回った。
「なぁ。三橋。」
「なに、阿部くん。」
「それって、野球やめても趣味が残るように?」
「うん、お母さんが、そういってた。」
「そっか・・・。」
『には酷いことしてるのかもしれないけど、これしかに残せること。ないかもしれないわ。』
「ねえ、」
「何だ。西広。」
「三橋さんって・・・学年主席じゃなかった?」
『・・・・・・・・・・・・・・・。』
「なんでそれ早く言わねぇんだ!三橋!!!!!!」
「ヒッ!ごめんなさ・・!」
「俺、ちゃん呼んでくるーーーー!」
水谷が待ってましたといわんばかりに部屋を飛び出した。
「俺も俺も!」
「あ、ちょ、おまえらまて!」
結局野球部全員が部屋に押しかけることになった。