試合をしていて数分。
廉君は三振を・・・とった!!!!



この試合、絶対に負けるもんか!!!!



青春ランナー04



「おい、」

「ん?梓?」


「平気か、熱射病なんだろ?」

「ん、あぁ、平気よ。いまんとこ。」



梓はこつんとおでこに自分の額をあわせた。



かあああぁぁとちょっと赤くなった気がする。
正直、家は男は居ない。つまり、小学生の頃は男子と遊んでいたけど
今は全然男子慣れはしていない。


「・・・・・・ちょっと熱いな顔も赤いし。」

「・・・・・・え、あ、そう・・・・。」



「日射病。嘘だったりする?」


「!!」


「冗談で言ってみたんだけど。その反応。違うよな。」


「・・・日射病だもん。」

「・・・・・・・・・本当のこと話してくれ。」


「本当のことだもの。」

「さっきから、腹かばってるよな。」


「!!!!」


「やっぱあたりか。」



「お願い。皆には絶対話さないでね。」



私は梓に全て話した。


「・・・・・・・ばかやろ。」

「ごめん。」


「そゆこと、早く俺に言え、馬鹿。」


「・・・・・・・・・。」


「腹まだ痛むか?」

「いや、もう大分平気。」

「そっか。」


「梓。」

「何。」



「手握って。」

「はぁ!!!?」


「いいから!」


梓はしぶしぶだけど手を差し出してくれた。

私はそれを受け取るとぎゅっと握る。



「・・・・・・・・お前手冷たい。」


やはり梓はわかってくれた。


「・・・・・・・梓は暖かいよ。」


「緊張してんのか?」

「う・・・うん。」












「大丈夫。勝つよ。」














そう言った梓の声、手、目。

全てが真剣で

全てが勝気で

全てが

その全ての瞬間が
好きだ。




「・・・・・・梓。ありがと。」


「・・・・うん。」


「絶対勝ちなさい!いえ、絶対勝て!」


「了解!」


マウンドに私の声が響き渡った。




気がつくと廉君が投げる番になっていた。


廉君の全力投球!

バッター打てなかった!!!!!


「廉君ナイピッチーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!」


次はワンナウト!


「廉君ナイスッ!!!!!!!」



廉君はにこっとこっちを見て笑ってくれた。
にこっと私も微笑み返す。


これまで三人アウトをとった。
で、ベンチに帰ってきた三橋君はうれしそうな顔してた。


「お帰り廉君!ナイピ!」

「う、うん!ちゃん!」




次は悠一郎君がバッター!

「がんば!悠一郎くん!」


「シャーーーーーーッス!!」



で、おぅと言って元気にマウンドに立った悠一郎くんだけど
二回まで打とうとしない。



「ね、阿部くん。」

「あ・・・あぁ。まさか。」


「あれ絶対。フォーク待ってる・・・・。」



でもフォーク打つにしては後方だった。



でも、悠一郎くんはステップして


叶くんの球を・・・・・・・・・・








             打った!!!!








「行ったああああああああぁぁ!!」


私は歓喜の声を上げる!



「イエッス!」


「なんにする!?」


「ここはナイバッチよ!」



「せーの!」
「「「「「ナイバッチーーーーーーーーーーー!!!」」」」」



次は梓がバッティング。


ん・・・・?あれ。梓ももしかして・・・
フォークまってる?




結局打てなかった。ツーワンからフォーク。
確かにね。判る気がする。
でも。梓がそれだけで打つとは思えない。



多分、悠一郎君と張り合った。んだと思う。



マリアちゃんが皆に指示を出す。とても意味深なこと。


「でもね。彼にももってないものがあるの。」



そう。悠一郎君には背がないから、ホームランを打てない!



「彼一人では点を取れない。点を取るにはあなた達の力がいるの。
                このことをよーく覚えておいて頂戴!」


梓も皆もやる気になったみたいだ。よかった。




廉君と三星の四番が戦ってる。思う。

何回も見てたけど、一回打たれたけど。阿部君はデータを取ってると思う。




この人・・・ホームランを打てる四番打者だ・・!


でも、最後の球も打たなかった。




『五番キャッチャー畠君。』



ムッと畠をにらんだ。








あ ん の 野 郎 ! ! さ っ き は 蹴 り や が っ て ! ! ! !





「れぇんくぅんっ!やっちゃいなさぁーーーーーいっ!!!!」


梓と栄口くんと泉に変な目で見られた。

梓の癖にうざい。久しぶりにむかついた。





廉君三振とった!



「廉君ナイピーーーーーーーーーーーーーー!!!!」



廉君自信ついてきたと思う。



そして、ベンチでこういってくれた。

「阿部君、ちゃん、俺、ピッチャー楽しい!またマウンドのぼりたい!」

「俺もキャッチャー楽しいよ!」

「私も応援たのしい!廉君頑張れ!」



「まだまだ序盤よ!楽しいのはこれからだからねー!」


マリアちゃんはいつもより嬉しそうな顔をしてた。






廉君は打席で三振してきたけど鼻歌歌って戻ってきた。


よっぽど楽しいんだろうな。


阿部君に怒られてたけどね。





ここで五個三振をとってる廉君。
これはすごいなぁ。


次・・・叶君とか。そういえば廉君てさっきから叶君のこと見てる。



もしかして、廉君三星に戻りたい・・・・とか?





ちらりと三星に目をやる。






 「・・・まえこそ!まじめにやれよ!」


ん・・・・?叶くんと畠(嫌だから呼び捨て。)。今なんか・・・揉めた?










次は阿部君が打者、やっぱり硬球経験者だからうまい!

そして次は悠一郎くん。広いとこにひっぱった。


・・・そのおかげで!私達は一点とった!!これはぞくに先取点!!!!


「「「「「「「「「「ナイバッチーーーーーーーーーーーー!!!!!!」」」」」」」」」





梓が、今度は打者!


今回はストレート狙ってる!



お願い!今度は打って!


梓打った!!悠一郎君がホームに戻ってきた!二点目!!!!








でちらりと三星を目にやるとやっぱり揉めてる。

叶くん。廉くんのことちゃんと思ってあげてる。
だからこそ。ちゃんと三星の皆を叱ってあげてる。

最後は円陣を三星が組んでいた。ぼーっと廉くんはそれを眺めていた。



廉君は。本当は仲直りして野球・・・したいんだよね。


でも、廉君はもうこっちにいる。だからちゃんとしてほしい・・・






大事なのはこのウラ。皆ちゃんといけるよね!



廉君をピッチャーとして迎えられるよね。



廉君。ちゃんと投げれてる・・・いい調子。


「オッケーオッケ!三橋ナイピッー!」

「ナイピッチー!」



皆からの声援が。廉君に響いているのがわかる。



次は打者としての廉君。

でも叶君だから結構打てないかも。
やっぱり投手向きなのかもね。

練習試合帰ったらみっちり打つ練習しないとね!!




織田くんもやっぱ打ててない!



今回も見送り三振!

阿部君、廉君すごい。あってから二週間ちょいなんだけどね。




んで、色々あったんだけど、次は田島様の出番!!

ん・・・?あれ?あっちから、敬遠?!ランナー一塁で投げるのを止めた。



次は梓だった売ったんだけどツーアウト。惜しかった。

おどおどして廉君は阿部君に怒られてだけどマウンドにのぼった。


それからは本当に色々だけど。
一番気になったのは叶君と廉君。お互いを見合っていた。
やっぱり・・・三星で廉君に何かがあったんだ・・・。
そう思うと悔しいし悲しい。


三星側。多分廉君のやっと九分割に気づいた。
そして、あの監督、何か指示だしていた。


阿部君の指示はちゃんとしてる。

廉君もいいコース!・・・の筈だった。
いい感じのレフトフライ。

ボールはレフトの水谷くんのミットをカスって地面に虚しい音をたて転がった。




「何やってんのよクソレフトーーーーーーーーーーーーー!!!」




「ひぃっごめんなーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」




思わず叫んでしまう。だってパーフェクト無くしちゃったから。
阿部君もそう思ってるに違いないよ。(後の阿部:否定はしない。

この水谷め。クソレフト!!

次の打者は織田くん。
そして、廉君は。織田くんのなにかに気づいた。


阿部君は悩んでる。いや、違う。阿部君はいい作戦を出した。

なのに、織田はそれを打った。

そう、織田くんは残像を消すため一球目に目を瞑ってたからだ・・・。
あとは簡単。次はそれをいかして打った。
パーフェクトも、ノーヒットノーランも完封さえ消えてしまった。
これが、あの監督の考え。指示だったのだ。

次の畠のやつは廉君の球覚えてたから打てた。




これで三星に点が入ってしまった。
同点。逆転。



ど・・・どうしよう!