廉君は投げる気を無くしてない!

ただ、阿部君はショックを受けていた。





青春ランナー05



「廉君次がんばろ!」



廉君は何かが抜けたかのようにふらふらベンチの外に正座してしまった。
オイオイ!ちゃんとしようよ!



阿部君は

「お前が三星に未練たらたらな顔してたから!
          差をつけて勝ちたかったんだよ!」



廉君にむかってこう叫んだ。




次は栄口くん。
作戦理解してるみたいでちゃんと叶君にプレッシャー与えてた。
ナイス栄口くん!



二番の沖くんはデッドボール食らっちゃった。
大丈夫かな。


「大丈夫?冷やそうか。」


「あぁ。ありがとうねちゃん。」


「痛くなったら言ってね。」


「うん。」




次は阿部君がストレート打ってノーアウト満塁!


そしていよいよ





   神 ・ 田 島 様 の 出 番  ! ! 




叶くんのフォークがさっきよりも落ちた。


悠一郎くんはマリアちゃんのサインを確認しないで凄い集中力を発揮した、

二回目はストライクだったけど


三回目は・・・・チェンジアップ?!






お願い田島様!打ってきて!打って帰ってこなかったら殺す!







カッキィイイイイインと乾いた音が響く!






悠一郎くんは打ってきた。



これで同点にようやく追いついた。沖君がもう少し早ければもう一点入ったけど
贅沢は言わないでおこう。




それより廉君ずっとベンチに戻ってこない。




そこに悠一郎君が向かった。


「俺とベンチ帰ろうぜ。」


「あ・・・・・。」


廉君は多分あとちょっとで帰ってくると思う。
このチームも大分繋がってきてて嬉しい。



次は梓。これで打てば阿部君は帰ってこれる。頑張れ梓。



「梓ー行けええぇ!」

おぅと小さく笑って手を振る梓はちょっとカッコよくってなんか



憎らしかった。(笑



叶くんが投げてきたのはフォークだったけどそれを
梓はバントで打ち返してちゃんと阿部君は帰ってきた。




「逆転!」



皆がうれしそうに歓喜の声を上げる。


「マリアちゃん!」

「うんうん!花井君!ちゃんと考えててえらい!」



よし!この流れをできるだけ変えないように
そう思ってたら

「重いぞぉー」


悠一郎くんと廉くんが一緒にベンチに戻ってきた。
半強制的だったけど


「あ、復活した!心配したじゃんじかよ〜なんだよ〜
        俺がフライ落としたせいかとおもったぞ!」




「そのとおりでしょ?」


「ひ・酷い!酷い!」


「お帰り廉君、田島様!」

「あはは!ただいま!」
「た、ただい、ま!」


「田島様!最高っ!」
「そうだろ!!」

にへと笑って私の頭をなで繰り回した。

悠一郎くんの笑顔はお日様みたいに温かい。だからこそ四番を背負ってるんだなと
私は思う。



そして九回ウラ。
ココを抑えればもう勝利!



廉君は三星の皆を抑えていた。すべて送り出している。


織田くんだけど廉君は緊張していない。
マウンドで勝負を楽しんでいる!





「ストライック!!!!!!!!!!!!!!!!!!」






ストライクの声がグラウンドに響き渡った。


私達、西浦高校は勝ったのだ!







「車あと10分くらいだそうです!」


千代ちゃんが走ってマリアちゃんに伝える。


「皆!荷物もって門まで行くよー。」

はーいと皆の返事が聞こえる。



「三橋!」



三星の畠が廉君を呼んだ。


逃げ出そうとしたけど簡単に阿部君に捕まってた。残念だったね(笑




畠達は謝った。

廉君に三年間のことを償った。



「償うチャンスをくれないか?三星にもどってこいよ。」


「・・・・・・・・。」



廉君は


「戻らない。」


ゆっくりだけど、はっきりだけど、小さいけど、ちゃんと否定をした。


廉君はゆっくり、どもりながら自分が悪いように話していたけど

「でも、今日は来てよかった!だって、俺はずっと皆と野球したかったんだ!」



「廉君・・・・。」




「野球したいったって敵同士じゃねぇかよ!転校までしちゃってお前寂しくねぇのかよ!」




叶くんはよっぽど廉君のことを思ってたんだと私は実感した。


廉君は私達のほうを見た。


「さみしく・・・ないよ!!」



廉君



「また、試合しよう!いや、してください!」


「絶対・・・な」



叶くんと廉君の約束は美しかった。




「あ、そうだ、三橋まっすぐの癖出てたぞ。」



畠が廉君にアドバイスをあげてた。

よかったね。廉君。




「あとこれだけは言っておく!試合は負けたけど投手としては叶のほうが上だからな!」


「負けても言うかぁ!?」



叶くんは畠の首根っこを掴んでいっていた。





「あ。そうだ、そこのマネージャーさん。」


私の存在に気づいたらしい。


でも私ってねちっこいタイプだから絶対許すつもりなんてない。



「何?」


あからかに嫌な視線を向けてやった。


「さっきは悪かったよ。大丈夫?」


「全ッッ然!!?めっちゃ痛い!死んじゃう!」



私は怒鳴り声を響かせた。


マリアちゃんはツボに入ったのかクツクツ笑ってる。



「!!!?」


「まぁでも許してやらないこともないよ。ある条件を飲んだらね。」



「なんだ?」




「投手は廉君のほうが上だからッッッ!!!!!!!!!!」


叫び終えてふぅと一息ついて私は
にこりと私は笑った。


廉君は多少焦ってたけど嬉しそうだったし。




叶くんは最後に私に何か言いたそうだった。



「叶くんだよね?何か言いたいことでもあった?」


「あの、さ、さんだよね。」



「う?うん。」



「一目ぼれした!好きだっ!!!!!」





とんだ爆発発言。



というか叶くん以外みんな目が点だ。





「・・・・・えと、あの、ごめんなさい!」


「あ、判っては居たんだけど友達として付き合ってもらえるかな・・・。」


「あは、それなら喜んで?」




叶くんと私は友達になった。