意中の彼から突然「今日出かけよう」とメールが来た。
別に私はヒマだったから、いいよといった。すると彼は
「8時に公園」と言った。




私はいつもよりすこしお洒落をして(だって今日はあの彼と出かけるんだから!)
外に出た。

そして待ち合わせの場所に行くと、誰も居なかった。
もうそろそろ8時になるというのに、彼は居なかった。
…というか、彼以外にも人は誰一人として見えない。

暇をもてあまして空を見ると、満天の星空。
 







……そうだ、今日は七夕だった。

織姫と彦星が年に一度逢える日。
 恋のお願いが、叶うんだっけ…。 私の好きな人は……



『貴方の好きな人は誰ですか?』


沢田 綱吉獄寺 隼人山本 武雲雀 恭弥六道 骸



















































Tsunayoshi Sawada side...

「ツナ、来ないなぁー…」
彼は待ってもこない。

ふと、携帯電話があることに気付いた。
携帯電話を手に取ると、ツナの電話番号を確認して、電話をかけた。



呼び出し音が響く。



静かで明るい夜に、私は一人でここに居た。




すると、不意に後ろから気配がして、






ツナが、息を切らしてやってきた。「ご、めん、ね、遅れて…」


「き、気にしないで!…それより大丈夫?」
「うん、オレは大丈夫だよ。」

息を整えてから、彼はまた言う。

、今日って、七夕だよね」
「うん、そうだよ。意外だな、ツナそういうこと興味あったんだ」

くすり、と私は笑うと、ツナは「悪いかよっ!」と言った。

「でさ…、短冊持ってきたんだ。家に笹があるから、一緒にどうかなって」
「え、本当に?」
「うん、本当だよ、オレは嘘でそんなこと言わないからっ」
また彼は怒ったような顔をしてる。

それで、ツナが持ってきた短冊とペンを手にとって書き始める。
私はツナの短冊の願いを横目に見ると、


「な、見んなよっ!!」といった。



でも、彼の短冊が見えて、「と一緒にいられますように」と書いてあった。
なんだかそうやって書いてくれてるのがとても嬉しかった。



私は、何を書こうと幸せになった。

(返事を書こうかな?)




























Hayato Gokudera side...


「わりぃな、いきなり呼び出してよ」


「うわっ!!」



急にした彼の声に、私は体をびくり、とさせた。

「あ、驚いたろ?」
「わ、悪い?」

悪戯っぽく笑う彼が、何気に憎めない私が居る。
随分惚れてるんでしょうか、私は。



「な、今日空みたか?」「見たよ、待ってる間に」

「…本当か?じっくり見たか?」
「え、ちょっと見ただけだよ」

彼の恨めしそうな視線を見て、私はそういってしまう。
というか、空をじっくり眺めることってあんまり無いから、良く分からない。


「な、見てみろよ。今日しかみれねぇんだぜ」
そういって彼は、私の顔を上に向かせた。

空に所狭しと並ぶ星たち。普段は明るくて見えなくて、自分から見ようともしなかったけど。
でも、空はこんなにきれいで。
織姫はきっと彦星と逢えて、幸せなひと時をすごしているんだと思う。

ふと気付くと、首に何かを感じた。
見ると、シルバーネックレスが私の首についていた。
次に彼を見ると、赤面した彼の顔だけが視界に入った。

「え、これ…」「こ、こういうときにしかできねーだろ、こういうのは」

恥ずかしそうにそれだけいうと、彼は私の手をとって空を見ていた。


(この時間が一秒でも長く続きますように、と祈りをこめて)





























Takeshi Yamamoto side...

「わり、親父に途中でつかまってさ」
「気にしないからいいよ。空ずっと見てたんだ」
「…空?」
「だって今日七夕でしょ?」

私は空に向かって指をさす。それに導かれるように彼は空を見た。




無数に輝く星空。こんなに星がきれいなのはきっと今日だけ。






「すげえな!…たしか、織姫と彦星が逢えるんだっけか?」
「そうだよ。武そういうの無関心そうなのにね」


私はおかしくて、笑ってたら彼は拗ねてしまって。
「ごめんごめん、冗談だよ!」と私は彼の肩に手を伸ばした。

すると、彼は私を力強く抱きしめた。



彼のこのちょうどいい抱きしめる力が、すごくすごくすごく好きで、私は目を閉じた。


「一年に一度しか逢えないなんて考えられねぇな」
「…なんで?」
「だって、と一緒に居たいじゃねぇか、たくさんな」
「え、わ、私…?」

彼の突然の告白もどきに私はすっかり戸惑って、ただ赤面するしかなかった。

だって彼はいつも、天然なのに、いつもと違う彼が居て、でもこれは彼で…


…ああもう、今深く考えるのは止めておこう。



「おう、だ」
「…わ、私も武といたいよ」

(織姫と彦星、あなたたちもお幸せにね!!)




























Kyoya Hibari side...



…来ないんですけど。もう何分待ったか分からない。
もう、諦めて帰ろうかな?うん、それがいいよね。

そう決めて、私は家へと歩んでいった。


せっかく彼が誘ってくれたって言うのに。なんで来なかったんだろう?
 なんかしたかな、何したんだろう?

なんかわけも分からないまま私は泣いていて、立ち止まった。



人気の無い公園の付近で、静かに泣いていたら。

、どうしたの」

「…きょ、うや…」




慌てて涙を拭く(だってばれたら恥ずかしいでしょ?)と、雲雀が喋り始める。

「なんで泣いてるの」
彼は顔を近づけてきた。私の頬の涙の跡でも見ているんだろうか。
私は一歩後ろに下がる。


「べ、別に!!」「正直にいいなよ」
「な、なんで今日はそんなにしつこいの…?」
「どうだっていいよ、そんなこと」
彼は私の右手を掴むと、私の頬に口づけをする。

ほんの一瞬だけ。






「…だ、って、待ってても全然恭弥来なかったから」
「ワオ、そういうこというんだ。僕だってさっきからいたけど」
「え?」

驚いた顔をしていると、彼は不敵な笑みを浮かべて

「どんな反応するかなって」
「え、うそ、本当に?」

私はため息をひとつつくと、何だ…と呟いた。

「別にいじめたかったわけじゃないけど」
「うそつき」
「本当」
「本当?」
「本当。」

そしてその日、彼と私は輝く満点の星の下で口付けを交わした。


(それは長く、甘い時でした)



























Mukuro Rokudou side...

「クフフフ、お待たせしました」
もうそろそろ来ないかな、と思ってた頃に彼はゆっくりと歩いてきた。
「遅い!!」とあたしはいうと、

「星に見とれて歩くのを忘れていました」という。
…ロマンチストに言い訳言わなくてもいいのにね!!




「今日は七夕だそうですね。色々調べてみましたよ」
「さ、さすが…」
「クフフ、聞けば離れ離れの織姫と彦星が再会できるそうですね。
そしてそれに願えば恋愛が叶うそうですよ」

「うん、知ってるよ」

は、何を願うのですか?」
「え、うーん……なんだろうね。決めてないよ」

私は本当は心の奥底で「あんたと一緒にいたいんだよ、骸!」と思ってたに違いないけど、
言える訳なくてその言葉は封印された。


9時ごろが、今日は一番星が良く見えるそうですよ、と彼は言って空を眺めた。

時計を見るとまだ8時半。まだ、彼と居れるかな?



「こんなに星が沢山あって、2人は逢えるのでしょうか」
「逢えるよ、雨のときなんてカササギが織姫を彦星まで運んでいくんだから」
「でも、なぜ彦星は織姫に逢いに行かないのですか?」
私がわからなさそうに首をかしげると、彼は

「織姫が彦星に逢いに行くだけですよね?伝説などでは…」
「うん、そうだね。でも、なんで彦星が逢いに行かないのが駄目なの?」
「…僕が彦星なら織姫に逢いに行くと思いますが」
「そう、だよね。逢いに来てもらってばっかりじゃイヤだよね」

彼はそうです、とうなずいた。



「だから僕は、がどこに行こうとも一緒に付きまといますよ?」
彼は私にとびきりの笑顔を見せた。

きっと、私にだけ、の笑顔。




ありがとう、って素直に言うのがなんだか恥ずかしくて、私は彼にキスをした。
そっちのほうが普通は恥ずかしいかもしれないけど、その場の雰囲気として私はキスをした。

すると、骸は私の背中に手を回して、深く口付けた。
私は苦しくなって酸素を求めると、骸が口を離した。

「今日はどうしたんですか、めずらしいですね」
「…今日は、七夕だから特別なの!」

すねた風にいうと、彼はまたクフフ、と笑っていた。


(星に願いを、君には愛を)







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